2007年4月15日日曜日

vol.11 検索ページは広告媒体にはならない

検索結果というのは、検索ロボットが1ヶ月に1、2度サイトをクロールして検索サイトに表示するわけだから常に過去記事である。

それが証拠に、すでに決定した自社のダブルクリック買収を、Googleで、Google、ダブルクリック、買収の3ワード検索しても、4月15日現在では、以下のような過去記事しか表示されない。

http://www.google.com/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4IBMA_ja___JP204&q=Google%e3%80%80%e3%83%80%e3%83%96%e3%83%ab%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%83%e3%82%af%e3%80%80%e8%b2%b7%e5%8f%8e

つまり、アーカイブ記事を適当に探してくるのが検索ロボットであり、これを適当に表示するのが検索サイトである。同じ検索ワードで検索しても、検索エンジンによってそれぞれ違う結果が表示されるこの適当さを、「アルゴリズム」などと言っているだけである。

検索ロボットにホームページを教えてやるためにタグを貼ったり、xmlで書いたサイトマップをルートディレクトリにあげてやったり、手取り足取りしても日本語が読めないロボット君はこちらの望むコンテンツを探し当てることが出来ないのである。

さらに、ネットのもつ特性であるはずの即時性、同時性、双方向性は、検索サイトには一切反映されていないのが現状である。


さて、このようなお寒い情報サイトでしかない検索サイトに、最新の情報である広告を掲載する価値があるのだろうか?

Google君のダブルクリック買収が意味するものは、YAHOO!に遅れを取っているバナー広告の配信に参入することを意味している。

だが、今更バナー広告はないだろう。なぜなら、クリック率の激減によって凋落の一途をたどっているのがバナー広告であるからである。バナー広告は、そもそも新聞・雑誌といったレジェンドな媒体広告のデジタル版に過ぎない。

広告に依存し、物理的制約があるがゆえに紙面一杯に広告が埋め尽くすのは致し方ないが、どうしてまったく制約のないウェブサイトで同じ手法を展開する必要があるのか?

テレビ派とネット派の違いは、情報取得を受動的に行うか能動的に行うかにある。明らかにバナー広告は前者をターゲットにしたものであり、ウェブ記事と無関係の広告を鬱陶しく感じるのが後者である。

1to1マーケティングという言葉は、まさにこのことではないのか?必要な人に必要な情報を、必要な人に必要な広告を、である。

検索サイトがレジェンドな媒体に先祖帰りすることは誰も望んでいない。ウェブ検索にニュース並みの即時性を、広告掲載に徹底した選択性を持たせることをこそ望んでいるのである。

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2007年4月14日土曜日

vol.10 GoogleはPPC広告撤退か?

Google君の不埒な所業についてトラッキングしてきたが、ふと思う。Google君って、もしかしたらPPC広告から撤退したいんじゃないかと。

実際に検索ページを見ても、Googleのページから広告が激減している。これに反してYAHOO!のページは広告が激増している。

広告に対するROIを考えてみれば当然のことで、同じ広告を実施した場合、インプレッション数、クリック数、コンバージョン数ともにGoogle君はYAHOO!の半分(Google利用者は広告をクリックせずに自然検索結果をクリックする率がYAHOO!利用者の2倍とも言える)である。にもかかわらず広告料金は同じ。つまり、Google君の広告料はYAHOO!の2倍の広告料ということになる。

2倍であっても「広告の質」が高ければかまわない。つまり、広告効果である。ところが、Google君が勝手に押し付けてくる「QS」のせいで、ただただ「高額」な広告になるだけである。かくして広告主はGoogle君からYAHOO!に乗り換えるということになる。

こんなことがわからないGoogle君ではないはず。すべて承知でGooglePPC広告からの広告主の追い出しにかかっているとするならば、儲からないPPCから撤退して、もっと濡れ手に粟のビジネスモデルへの移行を考えているはずである。

TV・携帯への進出、さらにはダブルクリック社(DART技術)の買収(07/04/13)などを見ると、大衆路線への切り替えを進めていると見ることも出来る。

世界のGoogleが、日本においてはどうしてもYAHOO!に勝てない。勝てない理由(YAHOO!1人勝ちの理由)を分析した結果、「大衆路線」への転換であると結論付けた・・・・。

いずれにせよ、この結論が出るのにそう長くはかからないのではないかと思う。

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2007年4月8日日曜日

vol.9 Google Adwords より重要なお知らせ

AdWordsから以下のようなメールが来た。

よく読んでみると何のことはない、2月から実施しているわたしの広告の「後審査」が今頃終わって、どうやら、それが「Googleのガイドライン」に沿っていないので「停止」したらしい。

不思議なことに、Overtureの方では「事前審査」で何度も修正を繰り返し面倒くさかったが、AdWordsと同じ「業界ガイドライン」に沿って承認された同じ広告が、YAHOO!、Live Serch、exciteなどでキチンと掲載されているにもかかわらずである。

事前連絡もなく、広告を「非掲載」にしてワードの価格を吊り上げてくるだけかと思ったら、Google君は掲載開始から2ヶ月以上も経ってから、事前連絡もなしに「停止」もするらしい。

文面を読むとまるで犯罪者扱いで、言うことを聞かなければ今度はアカウントを停止するという。QSのおかげで、クリック数は減少の一途をたどり、Overtureの10分の1のクリック数でアカウントは一向に減らない。

Overtureに比べ、まったく広告効果の期待できない媒体であることからやめようと思っていた矢先のことなので勝手に停止しろという思いである。

しかしこのGoogle君の横柄さ、後発の参入であるならもう少しわが国の国民性を研究すべきで、わたしは日本にはなじまないと保証しますね。

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ご担当者様

平素より Google AdWords をご利用いただき、誠にありがとうございます。

何度かご連絡させていただいておりますが、お客様は Google のポリシーに従っていない広告を繰り返し送信されています。

このような広告を再度送信された場合は、AdWords のガイドラインにご理解いただけないと判断し、お客様のアカウントを停止させていただきます。

アカウントが停止されますと、該当の広告掲載が強制停止されるだけでなく、他のキャンペーンも含め、今後一切 AdWords をご利用いただけなくなりますので、あらかじめご了承ください。

この度の不承認に関しましては、本メールを***最終警告***とさせていただきますのでご了承ください。

現在該当の広告は停止させていただいております。

Google ではプログラムの品質を非常に重視しております。ユーザーが広告主様に信頼を置き、質の高い広告を閲覧できる環境を維持するため、Google のガイドラインに従っていない広告は送信されないようお願いいたします。

*問題となる点:サイト運営者情報要請


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2007年3月31日土曜日

vol.8 検索連動型広告は、4月からこうなる

Overture、AdWordsの2大外資系企業が有無を言わせぬ攻勢を掛けている。掛けられているのは日本の企業である。

すでにQSを昨年から実施中のAdWordsは、広告の「品質」に逐一口を出し、キーワードの価格決定権を握ろうとしている。

昨日まで10円で掲載されていた広告の「品質」が低いので、現在、非表示になっています。掲載してほしかったら300円にしなさい。と、メール連絡も何もないのに管理画面に表示される。これを見た広告担当者の選択肢は、素直に300円にするか、削除するかの2つしかない。

泣く泣く300円にすると、翌日には、300円でも「品質」が低いので600円にしなさい。さらに翌日には1200円にしなさい・・・・。これが毎日のように繰り返されるのである。

これらのキーワードを削除していけば、インプレッションは減少し、インプレッションが減少すればクリック数が減少し、クリック数が減少すればコンバージョン数が減少する。AdWordsの言い値に付き合っても、広告費が急上昇していくだけで、結果は同じことである。


片やOvertureは現在のところ「入札制」を取っており、同じキーワードの価格はAdWordsに比べれば10分の1程度であり、「民主的」ですらある。ところが、すでに、AdWords同様にキーワードの「品質」を査定するシステムであるQIの導入準備が着々と進んでいる。

この2社がキーワードの「品質」の覇権を争う時代が明日から始まるのである。

これまで何万というキーワードを投入することでロングテール現象を期待したマーケティングを広告代理店への丸投げで運用してきた検索連動型広告だが、ここへきてドラスティックな転換を広告担当者は迫られることになる。

非表示になったキーワードを復活するのか削除するのか?復活するにはいくらまでなら許可されるのか?インプレッションのないキーワードをどうするのか?キーワードとT&Dの精査はどうするのか?T&Dとランディングページのマッチングはどうするのか?CPC再設定はいくらにするのか?CPAはいくらにするのか?

すでに、検索連動型広告は、管理画面と首っ引きでネットトレーダーもどきの頻繁で戦略的対応を要求される広告媒体になっており、この傾向は加速していく。

広告担当者は、広告費の急上昇とROIの急落に青ざめる前に、必要なキーワードにバジェットを集中的に投下し、管理画面に張り付いて常時広告のチューニングを行うことが出来る社内体制に切り替える必要がある。


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2007年3月25日日曜日

vol.7 IT業界のビジネスリテラシー

ない。以上。(笑)
それではあまりにもビジネスリテラシーがないので続けることにする。
何がないかというと、ビジネスのイロハである、「ホウレンソウ」がないのである。うん?ホウレンソウは嫌いだ、という君、君は間違いなく、IT業界の方です。(笑)

ホウレンソウとは、「報連相」と書く。まだわからない、聞いたこともない。そうでしょうそうでしょう。「報連相」とは、報告、連絡、相談のことである。業務遂行上不可欠なものは、報告、連絡、相談、この3つで終わりである。

PPC広告のキーワード登録が終わったのか、いつ終わるのか、などの進捗報告。クライアントからの重要な指示の関係者への連絡。自分で判断がつかないことの上司、同僚への相談。これがまるで出来ないのがIT業界である。

これでは、世間とビジネスを行うことなど無理というものである。なぜこんなお粗末千万なことになってしまったのか?

理由は単純。まともな教育を受けた社会人がいないからである。なぜいないのか?まともな教育を受けていなくてもビジネスが出来るバックグラウンドがあるからである。どんなバックグラウンドか?ITインフラである。

ところが、インターネットインフラのおかげで、成り立っている自らのビジネスのことしか知らないから、世間のビジネスの基本から離れていくことになる。

ビジネスは、人と人との真剣勝負である。ところが、オンラインで顔も見えず声も聞こえない相手にやるのがネットビジネスだと勘違いしているから、いざトラブルが起こると逃げの一手である。

クレームシューティングの基本は、初動でいかに食い止めるかにあるのに、IT業界のクレームは必ず2次クレーム、3次クレームへと発展していく・・。

システムのせいにする、言い訳をする、ごまかす、報告しない、連絡しない、相談しない、そして謝らない。パソコン相手にしかコミュニケーション出来ず、人と人との「生コミュニケーション」となると尻尾を巻いて逃げ出す。それがIT業界に働く若者の実態である。

まず、ごめんなさいからビジネスははじまるのだが・・。

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2007年3月10日土曜日

vol.6 IP携帯はどうなったのか?

確かあれは2002年のことだったと思う。

三菱電機が「IP携帯」のプロトタイプを発表して、基本料金が950円かだかで使い放題てなニュースが出ていた。おー、ついに携帯もIPになるのか、つなぎっぱなしになるのか、と感慨深い思いにとらわれたものだった・・・。
http://journal.mycom.co.jp/news/2002/09/25/12.html

あれからはや5年。

未だに実現していないのは何故?と疑問に思うのだが、答えは実に簡単で、docomoをはじめとするNTT系、旧KDD系の企業、海外携帯企業が既得権を手放したくないからに他ならない。Soft Bankの孫さんも、IP携帯ではなく「とりあえず携帯」市場に参入せざるを得なかったというのが障壁の大きさを物語っている。

そりゃそうだろう、いまやADSL全盛期で、つなぎっぱなしで月3000円はお値打ちものである。それに引き換え、○○割り引きを連発したところで、携帯の月3000円は、PCが得ている利便性に比べて10分の1の値打ちもないほどのぼったくりもいいとこなのだから。(使い道がなくて、わたしの携帯はデスクトップで埃をかぶっている)

パケット通信などというものをいつまで押し付けるのか?子供相手のあこぎな商売をいつまで続けるつもりなのか?おもちゃは子供が使うものなのだから、もっと安くしなければ。

じゃ、同じ原理の無線LANはどうかというとこっちもまた同様。YAHOO!BB、NTT他のプロバイダがHOT SPOTエリアを未だに共有しないまま点的サービス提供にとどまっている。国際ローミングはすでに実用化されているのに、「国内ローミング」がほったらかしというお粗末さである。

これが解消されれば、IP電話の導入も一気に進むのだが、どこでもいつでもネットにつながるユビキタス社会はいつのことなのか。

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2007年3月6日火曜日

vol.5 やくざも顔負け、GoogleのQS

勘弁してほしいものである。

ちょっと目を離すと、非掲載になったワードがごろごろ出てくる。そしてそこには「最高入札価格を 120円に」しろとのご託宣。泣く泣く120円に変更すると、確かに一瞬掲載はされるが、即また半日後には非掲載になり、今度は「最高入札価格を600円 にしろ」と脅迫の文字が・・・。

イイカゲンにしろ!そうそう値上げできるわけないだろ!と削除していったら、あらら、掲載ワードが1つもなくなった・・。

ちょっ と待った。このビジネスモデルっておかしくないか?全ワードを非掲載にしてしまったらクリックされないわけで、クリックされなければ課金もないことにな り、収益は上がらないってことになるのでは?糞みたいなワードは、只でも掲載したくないというのがGoogleのコンセプトなのか?

こういう悪さをしているのが、QS(Quality Score)と呼ばれるコンピュータ制御システムであるが、どうもこいつ、2001年宇宙の旅の「HUL」みたいに暴走しているのではないだろうか?

お まけに、4月からはOvertureの方もQI(Quality Index)を導入するということで準備中である。これから、リスティング広告ものんびりクリック数をチェックするだけでは済まなくなる。キーワードその ものが掲載されているかどうか、掲載されるためにはいくらにすべきか、まるでトレーダーのような対応を迫られることになるからである。

ところでこの業務、20%のアカウントでやれる代理店はないと思いますが、誰がやるんでしょうね。

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