2007年12月16日日曜日

vol.57 2007年のITトレンド

ネットバブルから7年目の今年、一体何が変わったのか?というように大上段に振りかぶることなく今年を振り返って見ることにする。

わたしはといえば、とにかくリスティング広告とウェブ広告に悩まされた1年であった。昨年までとドラスティックに変わった点は、双方とも「効かなくなった」ということ。

現象的には、pv、アクセス、クリックのいずれも増えたのだが、コンバージョンが大きく後退した。
よく効く薬が効かなくなった、あの感じとそっくりなのである。

理由は以下のようなものが想定される。

1、猫も杓子も参入するようになって競合が増えすぎた
2、消費者は広告に食傷気味である
3、広告主に広告がコントロールできなくなった

1、は市場環境
2、は消費者の立場
3、は広告主の立場

1、も2、も昔からあったといえばあったことなのだが、3、がもっとも重要である。というのは、昔は「なかなか当たらなくなった」という言われ方をしたことはあったが、「コントロールできなくなった」ことはなかったからである。

広告とは、資本主義の本質的な部分を表すもので、売り上げの多い企業は大企業であり、大企業は大資本であるように、広告によって認知度を上げるためには広告費を湯水のごとく使えば目的は達せられた。

つまり、広告費の多寡が広告効果の多寡を意味していたのである。

だからこそ、「発行部数によって広告費」が決定されていることに何の違和感もなかったのである。これを踏襲したのが、ウェブ媒体である。よって、発行部数に該当する「pv数による広告費」が当然のようにまかりとおっている。

リスティング広告の場合、pv=impとなる。ところが、リスティング広告では、「imp数による広告費」を取っていない。それよりも高額になる「クリックによる広告費」を採用している。

「inp数による広告費」が1円の単価計算によるのに対し「クリックによる広告費」は最低9円の単価計算であるから、こちらのほうが圧倒的に高額になるからである。

ここが「コントロールできなくなった」決定的なポイントである。

さらに、これに加え、QS、QIの導入がますますブラックボックス化していく元凶になっている。QS、QIによって、クリック単価も掲載順位も上下するからである。

最低クリック単価も、QS、QIも、impもCTRも、何もかもがブラックボックス。つまり、ルールを相手の思うがままにされる中でのゲーム参加を強いられているのが今のリスティング広告、ウェブ広告なのである。

しかし、広告効果の最終判断はROIであり、CV数であり、CPAある。よって、これに焦点を絞って広告効果を判断するしかない。

たったこれだけのことに気づいた2007年であった。

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2007年12月2日日曜日

vol.56 CTR2倍、CPA2分の1にする方法

ウェブ広告担当者が頭を悩ますのは、昨今のCPAの高騰である。

PPC広告がデファクトになって5年。この間のCPAの高騰はすさまじいものがある。5年前のCPAが1とするならば、今は10、というところまで来た。

物価に置き換えると、10倍というと30年以上を要する期間である。これをドッグイヤーで計算すれば5×7=35だから、不思議はないのだが・・・。

しかし、この急激な高騰にはついていけないのが現場の実情である。5年で広告費予算が10倍に増額されるわけではないのだから、予算をカットするしかない。

ところが、広告費を10分の1にするといってもコントロールするのが難しいのがPPCの特長でもある。機械的な上限設定によって、結果、コンバージョン数を犠牲にすることになり、一気にROIは低下してしまうことになる。

では、CPAを戦略的に低下させる方法はあるのか?

実は、これこそが、QI、QSを上げることによって実現できる最大の広告効果なのである。

QI、QSが良いということは、必然的に「低クリック単価での上位表示」が可能になるからである

では、低クリック単価で上位表示されるとはどういうことなのか?

まずは、単純な確率論。
1、IMP数が多い
2、クリック数が多い
3、コンバージョン数が多い

しかし、QI、QSは3、には頓着しない。1、2が良いものがQI、QSが高いものである。さらに、広告審査によって、登録キーワードと広告との整合性を重点的にチェックする。

したがって、QI、QSが良いとはどういうことかというと、

1、登録キーワードと広告中のキーワードとの整合性が高い
2、その結果としてIMP数が多い
3、その結果としてクリック数が多い

ということなのである。

よって、これをまずキチンとやると、比較的安価にコンバージョンが取れるようになる。比較的、というのは、今よりも多少、という意味である。

今よりも、もっとコンバージョン単価を低下させるには、次の施策に着手する。

ランディングページのリファインである。

ランディングページは、まず、
1、1ルック(限られた画面上に必要情報をすべて表示するように制作する)
2、簡潔に必要事項を盛り込む
3、インセンティブを用意

要は「チラシ」を作ることである。ところが、現在のウェブデザイナーは、AIDMAも知らなければ、「チラシ」を作ったこともない。

だから、SEMだとか、LPOだとかチンケな広告コンサル屋が幅を利かせることになる。まずは、スーパーのチラシをよーく見ることである。

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