2009年7月14日火曜日

vol.104 Google政治参加の意図

不気味な記事がCNETに掲載されている。「未来を選ぼう2009」というGoogleのプロジェクトに関する記事である。

選挙関連情報を提供するブログで、今度の衆院選をサポートするためのプロジェクトだそうである。

このプロジェクトの主役は「Googleモデレータ」というBBSである。現在は英語版のみだが日本語版を衆院選に合わせて作成すると言うタイミングの良さ。

これを電通がやるのなら分かり易いのだが、なんでGoogleなのか?

Google社長の辻野氏はこのプロジェクトを立ち上げた理由を、「選挙のときに候補者の客観的情報を手に入れやすくするため」と説明しているが、再び、なんでGoogleなの?と思う。

日本政府がやってもおかしくないことを外資の検索会社がやるのはなぜだろう?

Googleモデレータでやり取りされる内容は、立候補者、政党、政治団体と有権者との情報交換である。危険危険。日本人の政治意識、関心度、政党、政治団体の本音、有権者の本音・・・。

政治版Twitterである。

こりゃ、NHKの出口調査どころではない。事前に衆院選の趨勢も分かるだろうし、その方向を意図的に変えることもできなくはない。Google八分に見られるとおり、世論操作はGoogleのお手の物、これから選挙マーケティングの有効なツールになっていくだろう。

しかし、それにしても、これを放置する日本国って、情報治外法権下にある超後進国なんじゃないかしらん。そういえば確か、日本政府のコンサル会社は、アンダーセン・コンサルティングだった時代があったな。

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2009年7月2日木曜日

vol.103 朝日新聞社、CNET、ZDNETを買収

7月1日付けで、表題の発表がCNET自体に掲載された。

新聞紙に見切りを付け、ウェブの売れ筋を買いに走ったという見方もできる。が、目の付け所は間違ってはいない。今、IT系の媒体で、読むに価するのは、CNETぐらいなものであるから。

しかし、すべての新聞が広告主から見放された理由はただ1つ、オピニオンの欠如である。オピニオンとは、各媒体社にとってはコンセプトであり、レーゾンデーテルである。

これを放棄し、現場主義を忘れ、記者クラブでのメモ書き、海外ニュースのリソースを偏差値教育よろしく横並びで掲載してきた。

広告主は、オピニオンのない、差別化のできない、媒体とも呼べない新聞にこぞって背を向けた。これによって広告依存のビジネスモデルが揺らぎ始めたところにYAHOO!、Googleの外資系2社の検索サイトと検索連動型広告が追い討ちをかけ、止めを刺した格好である。

この現象は、媒体が検索によって取って代わられたとも、媒体広告が検索広告に駆逐されたともいえる。

このことからも、媒体の拡充では起死回生は遠く、もう手遅れのところまできている。

新聞社が、100年にわたる広告依存モデルに代わるビジネスモデルに乗り換えられない以上、媒体広告のCTR0.01%対検索連動型広告のCTR5%では勝負にすらならないのだから、広告主を取り戻すことはできない。

やるのなら、YAHOO!、Googleに真っ向から勝負を挑むことこそ天晴れ日本男児の晴れ姿といえよう。

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2009年6月13日土曜日

vol.102 QSO&QIO

タイトルの意味が分かる方は相当リスティング広告に入れ込んでいる方です。(笑)

QSは、Quality Score、QIは、Quality Index。前者がAdwords、後者がOvertureの広告品質指標である。

似た様なものだが微妙に違う。結構敏感に反応するのがQI、そうでもないのがQS。でも反応の仕方は同じ。

何に反応するのかというと、キーワードとT&Dの整合性。

キーワードとT&Dを整合性のないものにしてみるとこれはもう、そこまで過剰に反応することないだろうというくらいに過敏に反応する。

どちらともCTRにして、2%程度は落ちる。

これは、検索者が、いかにキーワードに依存しているかを示す端的な例である。つまり、自分が検索したキーワードが、広告のタイトルに含まれているものをクリックすることを示している。(含まれている部分がボールドで表示される)

これと呼応して、掲載順位を下げ、同時に入札価格を上げるのがQS、QIというアルゴリズムである。

どれくらい上がるかというと、最低100円~最高500円程度まで。

整合性のないT&Dを持つ広告の掲載順位を上げるには、入札価格を上げるしか上位表示させる手段はない。

仕方ないので、T&Dにキーワードとの整合性を持たせると、すぐに元に戻る。

しかし、結局このアルゴリズム、上位表示させて入札価格を下げる代わりに沢山クリックされることになるので、結果、広告費は高かった入札価格で少ししかクリックされなかったときよりも高くなる。

では、CVはどうか。

CTRの1/10~1/20程度がCVRになるので、結局CTRが高い方がCVRも高くなる。

要は、リスティング広告とは、金持ちでなければ沢山のCVは取れないということになる。

さて、QSO&QIOとは、Quality Score Optimization、Quality Index Optimizationのことであるが、その方法とは、無力な広告主にとって、今のところ可能な限り沢山のキーワードをT&Dに詰め込む以外に手はなさそうである。

情けない。

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2009年6月2日火曜日

vol.101 bingって何?

昨日からLive Searchに変わって、bing(KUMOはやめたらしい)というマイクロソフトの新しい検索エンジンのβ版が稼動し始めた。

でも、その精度は、やっぱりマイクロソフトならではのすっ呆けた検索結果で昔のLive Searchと変わらない。

うわさでは、YAHOO!のエンジンに似てくるということだったが、むしろ、Googleの癖に似ている。

2つのキーワードの組み合わせワードの前後を入れ替えても同じワードと認識する。つまり、2語キーワード入力と同じものとしてバラバラに認識する癖である。

Live Searchはむちゃくちゃで、検索ワードと関係のない検索結果を平気で表示するなど、まともな検索エンジンではなかったので、Google並になってきたというのは評価すべき点ではあるが・・・。

また、精度の低さを補うために、検索ワードを追加できるようにしたが、所詮その検索ワードの検索結果が追加されるだけで、「複合検索」されているわけではない。

この程度のエンジン、今更リリースして何か意味があるのだろうか?BEINGで転職先を探した方がいいのではないだろうか。

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2009年5月29日金曜日

vol.100 Googleの不思議な機能 その2

先に、GoogleIDでログインすると、検索結果を思い通り操作できる機能について述べたが、どうやらその目的が見えてきた。

それは、以下のように結論付けられるのではないだろうか?

1、Google検索エンジンの精度向上の放擲
2、GoogleのAdWords、AdSenseのための媒体化
3、ロボットアルゴリズムから人力アルゴリズムの採用

実は、Google検索エンジンの精度は、YAHOO!に比べて劣っている。同じキーワードで検索してみればそれは良く分かる。

たとえば、YAHOO!は、A+BとB+Aで出来たキーワードを同じとは見なさないのに、Googleでは同一キーワードになる。

リンク+アド=リンクアド、アド+リンク=アドリンク、であるが、YAHOO!はこの2つのキーワードは別のキーワードとして認識するが、Googleは同一のキーワードとして認識する。

ついでにMSNのLive Serchは、どちらとも認識できない。KUMOとかいうエンジンを6月にリリースするようだが、クラウドに引っ掛けたのかどうなのか雲をつかむような話である。(笑)

さて、話を元に戻して、その機能である。

望ましい位置に移動させたり、気に入らない検索結果を削除したりした個人の履歴をトラッキングしてデータとしてためると同時に共有出来るようになっている。

これらのサンプル数が100万、1000万、1億と増えていけばそれなりの結果がでて来ることだろう。AMAZONの書籍レコメンドもこの理屈と同じで、母数が増えていけばそれなりの精度をもって来る。

要するに、「みんなで選ぶ検索結果ランキング」である。

現在のロボットアルゴリズムとSEO施策とによって捻じ曲げられた検索結果が、ユーザーが自分の都合のいいように検索結果を操作しているうちにそれなりのものになっていくのだろう。

さらに、この結果にAdWordsを表示するようにすれば、広告効果も向上していくだろう。

ロボットアルゴリズムの限界を打破するのは、人力アルゴリズムになるのかもしれない。

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2009年5月21日木曜日

vol.99 広告代理店の赤字・倒産

広告代理店は、電通・博報堂をはじめ、軒並み赤字。さらには中小代理店にいたっては倒産が続出している。

しかしこれは当たり前のことで、代理店が取扱いの代理をする媒体への出稿が激減しているからである。つまり、商材が消えかけているのである。

ならば、その商材はどこにいったのか?

これまた当たり前のことで、ウェブ、ケータイに乗り換えたのである。理由はこれまた当たり前のことで、ROIが高いからに他ならない。

広告代理店の中で黒字を計上しているサイバーエージェントの業態を見ればこれらは一目瞭然のことである。

さて、では、電通のように、「そこまでやるの」とがんばったところで消えた商材が戻ってくるわけではない。

では、どうするのか?

代理業を止めるしかない。代理業など、所詮他人のふんどしで相撲を取るわけだから、ふんどしが消えてなくなればすっぽんぽん。

止めてどうするのか?

これまでにない広告を作り、育て、その広告を掲載すべきこれまでにない媒体を持つことである。

これがこれから広告代理店がやるべきことであり、「広告メーカー」への道である。

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2009年5月7日木曜日

vol.98 Googleの不思議な機能

最近Googleに検索結果を操作できる機能が付加された。

これまでも閲覧履歴に基づいて、カスタマイズされた検索結果が表示されていたのだが、今回の付加機能は、これを更に推し進めたものと言えそうである。

しかし・・・・、と思うのは私だけではあるまい。

それって検索エンジンなの?と。

それって、検索エンジンの性能向上を放棄することにならないの?と。

自分で望ましい検索結果を作って表示させて何か嬉しいの?と。

この結果をスタンダードな検索結果として表示するということになると、検索エンジンなど要らない。皆が選ぶ検索結果として表示することを前提にするのなら、これはレコメンドエンジンの領域である。

検索エンジンの限界に挑戦し続けるのが検索サイトではないのか?

個人向けにカスタマイズされた検索サイトとは行き着くところ「お気に入りサイト」ではないのか?

疑問符が次々に浮かんでくる今回のGoogleの付加機能である。

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