2009年4月6日月曜日

vol.93 LPOの破綻

どうしたことなのだろう?LP=Landing Pageが効かない。

徹底したLPOを実施してきたが、余りに行き過ぎた管理体制によって硬直化してしまったのか、リスティング広告も、媒体広告も「順調に予算を消化する」だけになってしまった。

こうなると、徹底的に方法論を変更するしかない。

こう思って、まずリスティング広告の全てのリンク先をホームに変更した。

6年前にリスティング広告を導入したとき、ホームへの誘導数を増やすためにどの企業も同じことをしていたと思う。

この後、キーワード群ごとに誘導先ページを設定→キーワード群ごとにランディングページを制作→キーワード群ごとに広告のT&Dを変更→ランディングページとの連動、といったことを頻繁に行うことが当然という流れで現在に至っている。

しかし、手を変え品を変えしても一向にCV数が伸びない。要するに効かなくなったのである。

これ、LPOを全否定する暴挙なのだが、この荒療治、効いているのかというと、実は効いているのである。そんな馬鹿なと思うなら、やってみてください。(笑)

根拠はあるのである。検索が常識化し消費者が成長したことがその理由ではないかというのがわたしの仮説である。

LPOが行き過ぎると、消費者の選択肢を奪い、情報検索の自主性を否定することになる。このことを消費者が無意識に拒否しているのではないか・・。

消費者自身が生情報を元に取捨選択する時代がやっと始まったのかもしれない。

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2009年4月4日土曜日

vol.92 BTとレコメンド

BTが大流行のようである。

BT=Behavioral Targeting、日本語では行動ターゲティングと訳されている。英語の正確な意味で言うと、behaviorは日本語で「振る舞い」だから、振る舞いから見た、と言った方が正確かも。

要は、ウェブ上でのユーザーの振る舞い=ウェブ閲覧履歴に基づいて狙い定めた(多分こういうユーザーなのだろうという想定の基に)広告を配信する手法のことである。

ついでに、リターゲティングについては、ウェブページに1度来訪したことのある顧客に対して、1度目の来訪で取得した情報をもとに、狙い定めた(多分こういうユーザーなのだろうという想定の基に)広告を配信する手法のことである。

さらについでに、レコメンドは、ウェブページで取得した情報を基に、商品提案を行うもので、商品を広告に置き換えると、レコメンド広告ということになる。

BTは、かつて消費者を統計学で使用する指標であったデモグラフィックデータ偏重のマーケティングと似て、余りにも幼稚である。

1人の消費者(実はIP)の属性を年齢、性別、所得だけで特定できないのと同様、ウェブ閲覧履歴がその消費者のすべてではないことは当然のこと。

デモグラフィックなデータがあってはじめてウェブ履歴にバイアスがかけられるのである。

このことに気づいているのか、YAHOO!は、YAHOO! ID情報をベースにしたBTを提案しているようだが、明らかに個人情報の濫用に該当する。YAHOO! ユーザーは、広告配信のために情報提供したわけではないからである。(ユーザーの意図などお構いなしにルールは勝手に変更されるので、もう変更されたかも)

リターゲティングも同様に、1度来訪した消費者と2度目の来訪者を差別化するほどの意味があるものかどうか?

レコメンドは、アマゾンの例が分かりやすい。「この本を買った人は、こんな本を買っています」。これがやはり本命である。

買ったという行動こそが意味のあるものである。これを食った人はこんなものを食っています。これを着ている人はこんなものを着ています。この車に乗っている人はこんな車を持っています・・・。

1度孫のための靴を買ったからといってベビーシューズの広告ががんがん来たり、2度と買うものかと思っている冷凍蟹の広告ががんがんきてもうざったいだけのことである。

それよりも昔あった、クレジット会社と提携して、19歳の娘を持つ父親に対して成人式の着物を案内したという京都の着物メーカーの手法の方がマーケティング的にも戦略的にもはるかに知的で進んだターゲティング広告である。

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2009年3月12日木曜日

vol.91 新聞社のサバイバルモデル

今日のCNETに明日の新聞社の行方を示唆するアーティクルが出ていた。

こんな単純明快なサバイバル策にどうして気付かなかったのだろう?と新聞関係者は思うに違いない。良いソリューションとはなべてそういったものだが・・・。

http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20389695,00.htm?tag=nl

ウェブ新聞が固執してきたものは、アーティクルの有料販売である。そしてすべて失敗した。ところが、リアル新聞のアーティクルは無料なのである。

新聞も雑誌も広告によって制作料は賄われているからである。テレビが只なのもラジオが只なのも、みんな広告料で賄われているからである。

ところが、新聞、雑誌は、それを有料で販売していた経緯からそのビジネスモデルをウェブにも持ち込もうとした。それが敗因である。

テレビ、ラジオはスタートから無料にした。新聞、雑誌に対する後発戦略としては当然のことである。

さて、全ての媒体がウェブの時代を迎え、ウェブでのビジネスモデルを強制される。ウェブのビジネスモデルについていけない媒体はウェブのみならず、リアルでも淘汰されることになる。

さて、ではこれから「広告依存ビジネスモデル」を標榜せざるを得ない媒体が取り組むべきウェブ・ビジネスモデルとは何なのだろう?それを知るためには、これから起こる以下のような広告の変化に目を向けることである。


1、バナー広告の凋落
2、検索連動型広告の凋落
3、ネットワーク広告配信の開始
4、第三者配信の開始
5、BT等戦略的広告配信システムの開始

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2009年3月8日日曜日

vol.90 現代のシジフォスの神話

IT業界が不景気だそうである。

ま、今回は完璧に世界不況とリンクしていて驚くべきでもないが、実は、本当のところは「構造不況」なのである。

ITになにが出来るかといえば、要は機械化でしかない。同じことを繰り返す作業であれば、人間よりも飲まず食わずで働き続けることができる。裏を返せば、それしか出来ない。

考えもしなければ先も読めずに10年1日の如く同じことを繰り返すことがお得意なだけである。それをシステムと呼ぶ。

よって、環境変化には耐えられず毎日のように廃棄処分と開発が行われるしかない。これに気づくと、回ってるだけで何も稼がないのがITだということに行き着くのにそう時間は掛からない。

現代のシジフォスの神話、それがIT業界である。

ではどうするのか?

100年前のビジネスモデルを機械化しただけのビジネスモデルに別れを告げて、次の、次の次のビジネスモデル構築に着手するしかない。

それは、決して難しいものではない。顧客優先。消費者を幸せにすることを考えることである。そこにビジネスチャンスは必ずある。人間が人間である限り。

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2009年2月27日金曜日

vol.89 インターネットの歴史

CNETに「インターネットの歴史--50の主要な出来事」というタイトルのアーティクルが掲載されている。

年代別に起こった出来事をまとめてあって分かり易くてCNETのアーティクルにしたら、こういうのは結構楽しい。

今回は、1966~1997年の30年間について軽く流しているが、Mosaic、TCP/IP、wwwなどというキーワードが出てきてへー、ほーというため息と共に、懐かしさをも覚える。

しかし、それでもほんのこの3,40年の間に起こったことなのだ。

わたしがインターネットに出会ったのは1995年のことで、わたしのネット師匠であるI氏が無理やり1台のMacを持ってきたのが始まりである。それまで、ニフティでパソコン通信をやっていたので、インターネットにはスムーズに入っていけた。

YAHOO!はできたところで、全コンテンツを見ることが可能なくらいの数しか登録されていなかった。そして、この年、阪神淡路大震災の年であり、地下鉄サリン事件の年である。

インターネットの歴史とパラレルで進行したのが携帯電話で、1970年の大阪万博の年に携帯電話の見本が展示された。

そして今も、インターネットと携帯電話はプロトコルが違うまま同じ目的に向かってパラレルな関係を続けている。

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2009年2月15日日曜日

vol.88 間抜けなGoogle

Google のマーケティング活動について
2009 年 2 月 10 日
Posted by 馬場康次(シニアマーケティングマネージャー)

Google Japan では、製品を多くのユーザーに知ってもらうために、さまざまなプロモーション活動を実施しています。
今回、そのプロモーション活動の一部でブログを活用したことが、Google のサーチに関するガイドラインに違反することが判明し、このプロモーションに関しては中止しました。ご迷惑をかけた関係者各位とユーザーの皆さまにお詫びするとともに、再発防止に向けて、透明性の高いコミュニケーションに努めてまいります。
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上記は最近超有名な超間抜けな謝罪文である。(笑)


ヨーロピアンは、自分で作ったルールを自分に都合にいいように変えるのが得意だが、これはご都合主義といって、大人の処世術としてはごく一般的である。

しかしまー、自分で作ったルールを自分で破るというのはガキ並の程度の低さであることは間違いない。が、またやってくれました、という程度で驚きもしない。

こういうなりふり構わない行動の根底にあるのは、「世界中で一人勝ちしてるのになんで日本じゃYAHOO!に勝てねえんだ!」というGoogle本社の苛立ちだ。

勝つためには手段を選ばないのがGoogleだから、自社ルールに抵触することも厭わないのは当たり前。

検索結果を極めて恣意的なものにしているGoogleだから、極めて恣意的に今回のプロモーションも行われたはずである。

しかし、バレるウソはつかないというのが大人の処世術の基本。Googleも、もう少し大人になってほしいものである。

新社長も就任早々ミソをつけたものである。

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vol.87 CSのあるGMOのヘルプデスク

ヘルプデスクの悪口はさんざん書いてきたが、最近、サーバを借りたレンサバ.COMの対応はとっても良くて見直した。

J-wordの対応がGoogle並だったのに比べるとずいぶん進歩したものだと思う。ただ、なんでもそうだと思うが、「個人差」はあると思うし、とりわけIT系は理系人間が圧倒的に多くて、いつもロボット対応に慣らされているので、「普通」だったことに感動しただけかもしれないが。(笑)

わたしが使っているこのGoogleの中では良く出来たサービスであるBloggerから借りたサーバにFTPで転送アップロードしようとしてうまくいかなかったのでメールしたのだ。

すると、最初は意味が分からなかったのか、FTPは使用可能ですといった頓珍漢な返事を書いてよこした。

2度目には、他社サービスには対応していないという逃げの対応をしてきた。

そこで、出来るのか出来ないかを聞いているのだと返事しておいた。するとしばらくして、3度目の返事が来た。

3度目には、Bloggerを使ってアップロードテストをしたようで、初めて設定の詳細が書かれた返事がきた。

最初からそうしろよといいたいところだが、時間が掛かっただけあって完璧な回答で、久々にわたしが恐縮するほどだった。(笑)

要は、相手がなにを聞いてきているのかということをよく聞いて、それに正確に応えてくれればいいのだが、往々にして、こちらが何をいっているのかを理解する能力に決定的に乏しいのが日本のヘルプデスクの特徴である。これではCSなど程遠い。

ヘルプデスクは、Dellが最もよく出来ていると思う。電話対応だけでHDのトラブルは大概解決するし、システマティックで気持ちがいい。

こんないい例が日本にあるのに、どうしてIT系企業は見習わないのだろう。お粗末な対応は、企業イメージの低減に大きく貢献するだけだということがどうして分からないのだろう。

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