2008年6月30日月曜日

vol.73 OVTのチューニング

リスティング広告について具体的なチューニング方法を書いてきたが、OVTとADWSとは根本的にリスティング広告コンセプト=リスティングエンジンが違う。

その最もちがうところは、日額予算設定ができるかどうかである。

OVT →できる
ADWS→できない

この差は大きい。

どういうことかというと、エンジンの基本的なアルゴリズムは、

OVT →全体の日額予算で調整しようとする
ADWS→広告キャンペーンごとの日額予算を調整しようとする

からである。

特に、OVTのエンジンの特性はチューニング上大きな支障となる。

チューニングとは、最小予算で最大CV数を獲得するために行うものであるが、OVTのエンジンはこれを阻害するように働く。

理由は、OVTエンジンは、以下のように単純に反応するからである。

日額予算を下げる→全体のインプレッションを減らす→クリック数が減る→CV数が減る
日額予算を上げる→全体のインプレッションを増やす→クリック数が増える→CV数が増える

分かりやすいことこの上ない。要は、予算を多く持つ広告主には有利に働くエンジンというわけである。

さて、ではこの馬鹿エンジンを上手にチューニングするにはどうすればいいのか?

1、CVの取れない広告キャンペーンはオフラインにする
2、CVのとれない広告グループはオフラインにする
3、CPAの高い広告グループはオフラインにする

上記の対策は、全体で調整しようとする馬鹿エンジンに対する対抗策である。

要は、

1、稼動させる広告を減らす
2、効率のいいものだけ残す
3、予算を集中させる

わけである。つまり、予算に限りのある貧乏人の戦略というわけである。

これで、以下の3点セットが実現する。

1、予算を減らし
2、CVを増やし
3、CPAを下げる

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2008年6月29日日曜日

vol.72 MOAとは?

Googleで「マウスオーバー広告」と検索すると、MOAとは?というページが1位表示される。

マウスオーバー広告というと、マウスオーバーフローティング広告(MOF)が有名だが、実施しているところは多くない。

要は、コンテンツに覆いかぶさるように表示されるのでうっとうしいというのが理由のようだ。また、この広告の名残がエクスパンド広告で、マウスオーバーするとスペースが2、3倍に拡大される。

最近はフラッシュ広告、GIFアニメ、動画などが当たり前になってきているが、すべてバナー広告のCTRの悪さをなんとかしようという苦肉の策の一環であるようだ。

MSNは、リスティング広告のテキストにマウスオーバーで動画配信する実験をおこなったはずだが、まだ実用化されていない。

つまり、旧態依然として、ウェブ広告というとバナーとリスティング広告の2つだけなのである。

さて、そこでMOAである。

コンテンツ中のリンク表示のあるキーワードにマウスオーバーしたときにアニメーション広告が表示される、というものである。

問題は、リンクをクリックしようとしたときにアニメーションが表示されるので驚きはあるが同時に違和感がある。

一般的に、コンテンツ中のリンク表示のあるキーワードのリンク先は、詳細情報、関連情報であるという申し合わせがある。

ところが、マウスオーバーでアニメーションが表示され、クリックすると広告ページに飛ばされるというのは、うざったいことこの上ないだけでなく、ルール違反の感すらある。

ただ、うざったいと思っている人間が少数になれば話は別で、こんな親切な広告はない。

クリックする前にリンク先情報を教えてくれるわけだから、安心してクリックできるし、アニメーションの説明を納得できなければクリックしなくてすむ。

リスティング広告は、リンク先が分からないからクリックして確認するしかないが、この方法なら事前に情報を手に入れることができるためにマウスオーバーだけですむからである。(リスティング会社は、クリックの20%は間違い、勘違いによるものと認めている)

ところでこの広告、MOAというよりも、POA=ポン引き広告とでも言った方がいいのではないか?

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2008年6月17日火曜日

vol.71 ウェブ広告のメディアミックスその3

5、アフィリエート
これからのウェブ広告で避けて通れないのがアフィリエート。また使いようによっては、ウェブ広告費を大幅に削減することができる最後のツールになるかもしれない。

アフィリエートの導入ステップは、次のとおり。

1、関連会社(顧客)に対して自社アフィリエートを導入
2、関連会社(顧客)の関連会社(顧客)にアフィリエートを導入
3、オープンアフィリエートの導入

企業には必ず取引先があり、取引先が一番販売商品に対するロイヤルティが高いはずである。よって、まず、ここから始めるのが筋であろう。

アフィリエートは、販売代理店の機能を持つわけだから商品に対するロイヤルティの高さはマストの要素。また、紹介なども積極的にしてくれるはずである。

次に、その取引先の取引先に対してアフィリエートを実施してもらう。新しい取引先を紹介してもらった場合には何らかのお礼をするのが普通であるから、これを合理的に行うのがアフィリエートであるともいえる。

アフィリエートは、ネットワークビジネスに近いものがあるので、利益のみを追求すると「友達を失くす」ことになる。あくまでも、商品を多くの人に知ってもらい使ってもらうためにのみその仕組みを活用する姿勢が大切。このことを理解してくれる取引先にのみ導入することが成功の秘訣。

最後に、オープンアフィリエートを導入するが、取引先の取引先の取引先、に対して導入することができれば精度は上がるはずである。

さて、これらがうまく廻り始めると紹介ビジネスが成立し始める、完全なCPA課金であるから、広告費はドラスティックに軽減されていくはずである。

さて、アフィリエートの最大の効果は何かというと、アフィリエート先が増えていくということは、「自前で外部リンクを作っていく」ことになるわけだから、絶大なSEO効果が期待できる、ということである。

広告効果とSEO効果、一挙両得とはこのことである。

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2008年5月18日日曜日

vol.70 ウェブ広告のメディアミックスその2

2月11日にvol.61「ウェブ広告のメディアミックス」と題してその1を書いたが、その2について触れないままになっていたので、以下書いておく。

メディアミックスで必要なものは以下の5点。
1、SEO
2、PPC(最近はCPCとか言うのでややこしい)
3、LPO
4、ウェブメディア
5、アフィリエート

このうち、1~3はその1に書いたので、以下の4、5が今回のテーマである。

4、ウェブメディア
5、アフィリエート


4、ウェブメディア
いわゆるウェブ媒体。10年前、新聞、雑誌のウェブ版からスタートしたが、今やその母体であった印刷物は青息吐息どころか廃刊に至ったものもあるくらいで、ウェブが取って代わった。

新聞がかろうじて生きているように見えるが、いずれ無料化されるだろう。そもそも「ニュース」を配信する媒体としては紙の時代は終わっていることはご本人が一番感じているはずである。

さて、ウェブ媒体はその母体と同じビジネスモデルをウェブにも導入した。(ウェブが「ニューメディア」と呼ばれていたころの話である。

つまり、広告依存モデルである。新聞、雑誌は広告がなくなると出版できないのである。これと同じモデルがウェブ媒体である。

ところが、広告スペースを販売するという広告モデルをウェブにも導入してしまった。これが今のジリ貧の原因である。

広告スペースには、バナーが掲載される。広告スペースの発想だから当然「でかい方が高い」というモデルである。

今や記事スペースよりも広告スペースの方がでかいのが常識になっている。ところが、バナー自体がクリックされなくなった。バナーのCTRは、PPCのCTRの1/10である。PPCが1%ならバナー広告は0.1%である。1000impに対して1クリックである。そうすると、CVRはいいとこ0.01、1万クリックに1件のCVである。

1万クリックを獲得するには、最低1000万impが必要である。この数字が物語るように、バナー広告は、1000万impを保障できる大新聞ウェブでしか成立しない。

こんなROIの悪い広告に金を出すクライアントはこれから急速に消えていくことだろう。

さらに、この低いCTRを補う方法はクリッカブルバナー(複数リンクを持つバナー)なのだが、これを禁じている媒体は多い。もはや、自滅の方向を明らかに向いている。

おっと、メディアミックスの話ではなく、ウェブ媒体批判になっている。(笑)

ま、要は使えないのだが、使うとすれば以下のような方法しかあるまい。

1、そのウェブ媒体のバナー広告掲載ページへのアクセスキーワードによってコピーを制作
2、そのバナーから、自社制作の自社サーバ内のLPに飛ばす
3、LPは、バナーと自社内誘導ページまたは申し込みフォームと違和感のないものとする


新聞広告なら、1、だけを一生懸命考えればよかったんですがね・・・。(笑)

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2008年5月11日日曜日

vol.69 10年後のネット広告

10年後のネット広告を今から始めようと思い、サーバとドメインを用意した。

10年前には考えられなかった金額でこの2つが手に入った。まさにポケットマネービジネスである。

業務内容は、広告配信サービスである。

10年後のネット広告という理由は、あと10年は検索連動型広告とバナー広告、テキスト広告が生き延びると想定しているからである。

検索連動型広告とバナー広告はこれから10年かけて動画広告に取って代わられる。考えてみれば当然のことで、印刷物じゃあるまいし、動かない広告を作ることの方が無理がある。

さらに、リンク先は複数箇所が当然になる。これまた印刷物でも複数のリンク先を持たせることが可能なのに1箇所しか持たせないことの方が無理がある。

無理を通しているのは、広告掲載基準である。広告掲載基準は、広告主ではなく広告会社、代理店、出版社に都合のいいものになっている。

しかも、出版社は印刷物の基準によって、発行部数×単価によって費用を算出する方式をそのまま持ち込んだPV課金という時代遅れの代物である。

検索連動型広告もそれを踏襲している。クリック数×単価というと合理的なように聞こえるが、糞味噌(こう書くと結構リアルですな)のターゲットにクリックされてうれしいのは広告会社と代理店だけで、広告主は原辰徳(腹が立つだけ)である。

残る可能性は、テキスト広告である。

というっても現在のテキスト広告ではない。ここでいうテキスト広告は、ウェブページの文字すべてのことを言っている。ウェブページにあるテキスト文字のすべてはキーワードであり、すべてが広告リンクになりうるという事実である。

これを禁じているのも広告掲載基準である。曰く。「記事スペース内に広告を掲載してはならない」。

まさに印刷物の発想である。リンクというウェブならではの機能の使い方を知らない時代遅れの基準である。

これをぶっ飛ばしてやろうというのが「リンクアド」なのである。

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2008年5月6日火曜日

vol.68 ありえない

たった6年前にはまだ夢であったことが、今は現実となって目の前にある。しかし、まだ何かが違う、と思う。

1985年頃、アメリカではじめて今の日本のケータイ電話と殆ど変わらないケータイ電話(富士通製だった)を見てから5年も待たされてやっと日本に導入されたが、最初にNTTが導入したものは、アメリカで見たものとは似ても似つかない代物だった。値段も当時の自動車電話並の異常なものだった。(月10万ほどだった)

その後、また5年ほど経ってNTTがdocomoを発売した。が、異常な値段は据え置かれたままだった。そして、10年以上経った今もいまだに異常な値段のままだ。

2002年、YAHOO!BBでADSLの定額料金を実現した孫君が、引き続いてIPケータイに参入するのを待っていたが、ついに実現しないまま彼はボーダフォンを買収し、ケータイ屋に収まってしまった。

IPケータイのモデルは2000年にはできていたはずだが、ケータイキャリア各社は、ケータイにPDAの機能やビデオやカメラの機能を突っ込んで食いつないだ。そのせいでホットスポットは普及しないまま今に至っている。

そして今、孫君がやるべきだった定額ケータイをEモバイルがやっている。そのCMのキーワードは「ありえない」である。孫君が8年前に目論んだことを実現したから「ありえない」のか?

わたしは、ケータイがいまだに定額でないことの方が「ありえない」と思っているのだが。

そもそも、パケット通信料などという詐欺をいつまで続けるのか?インターネットが従量制であったYAHOO!BB以前の状態(月6万くらいの電話料金を支払っていた)のまま、ケータイキャリアは詐欺を続けている。

IPケータイはADSL同様、当然のことながら定額である。それをEモバイルは実現しただけのことである。

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2008年4月23日水曜日

vol.67 T&Dは毎日更新?

リスティング広告のT&Dの更新頻度はどのくらいの期間でおこなっていますか?

1年?×。半年?×。3ヶ月?×。1ヶ月?△。1週間?○。毎日?◎。

どんなに長くても1週間で変更するのが正しい。試しに、impの多い順に並べてみてください。上位impのキーワードが今のT&Dに反映されていますか?

キーワードとT&Dの整合性こそがQS、QIの原点だし、CTRを上げる必要十分条件です。

毎日管理画面を見て、100以上のimpに対して1件(つまり1%)のクリックもない広告グループは即チェックして即変更。

また、どの広告グループにその傾向が強いかどうかも、キーワード群をA、Bに分類することによって明確になります。

CVがあればそのキーワードは即削除して、CVAまたはCVBの広告グループに移動。

これを繰り返していくと、CV広告グループでのみCVが発生するようになる。ここまでくれば、ブルペンワードはもう要らない。

CTRは5%以上、CVRは0.5%以上になるだろう。

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