2008年1月18日金曜日

vol.59 1年で100ドルにもならない

2007年4月からAdSenseを自サイトで実施している。

で、今月で10ヶ月になるのだが、この間35ドルの収入。月平均3.5ドルということになる。同時にリスティング広告を月1万円ほど実施しているので、当然逆ザヤになってしまう。100ドルの換金下限に達するのに3年は掛かりそうである。

聞くところによると、月100ドル以上稼ぐのは常識らしいので、なんともはやである。(笑)しかし、真っ当にやればこの程度のものだろう。

アフィリエートにはクリック詐欺がつきものである。専門にクリックする会社もあるくらいで、IPを変えて滞在時間も計算し、いかにも広告に興味がある人がクリックしたように見せかけるわけである。

これをリスティング広告でやられたら、CTRなど一気にぶっ飛ぶ。ぶっ飛ぶだけでなく、広告主はいい面の皮である。詐欺に広告費を払い、おまけにこれをベースにした金額の⒛%のマークアップを広告代理店に払っているのだから・・・。

所詮IPでしかトラッキングできないアフィリエートシステム。破綻するのは時間の問題だろう。そして、これと裏表の関係にあるリスティング広告の信憑性が崩壊するのも時間の問題だろう。

ROIの高い広告として認知されているリスティング広告だが、2008年は「広告の質」が広告会社の論理ではなく、消費者、広告主の論理で語られはじめる年になりそうである。

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2008年1月11日金曜日

vol.58 インテリテキスト、リリース?

確か、今年1月からインテリテキストがリリースされるという話だったがどうやら未だのようである。

まー、DACはともかく、IREPには技術がないのでそんなに簡単にいくとは思っていなかったので気にもしていないが・・。

インテリテキストは、技術的には難しいものではない。テキスト中のキーワードにリンクを張って、広告や動画を表示するだけのことである。

要は、キーワードにパラメータを付与することでサーバに格納した広告や動画と紐付けすることがポイントである。

さて、ここまでは簡単に出来ても、リスティング広告同様に、広告を管理するための管理画面となると相当に技術的に高度で複雑なものが要求される。

バナー広告程度のものとして位置づけるのならばCTRだけに頓着すればいいのでクリアするだろうが、広告担当者は、コンバージョンにしか興味がないわけで、表示される広告、ランディングページの整備が不可欠である。

管理画面等のバックエンド技術をDACが、コンサル部分をIREPが担当することになるのだろう。

しかし、この広告、実はリスティング広告との差別化が要求される種類の広告であることに気づいているのかどうか・・。

そして、差別化のポイントの最たるものは広告料金なのである。

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2007年12月16日日曜日

vol.57 2007年のITトレンド

ネットバブルから7年目の今年、一体何が変わったのか?というように大上段に振りかぶることなく今年を振り返って見ることにする。

わたしはといえば、とにかくリスティング広告とウェブ広告に悩まされた1年であった。昨年までとドラスティックに変わった点は、双方とも「効かなくなった」ということ。

現象的には、pv、アクセス、クリックのいずれも増えたのだが、コンバージョンが大きく後退した。
よく効く薬が効かなくなった、あの感じとそっくりなのである。

理由は以下のようなものが想定される。

1、猫も杓子も参入するようになって競合が増えすぎた
2、消費者は広告に食傷気味である
3、広告主に広告がコントロールできなくなった

1、は市場環境
2、は消費者の立場
3、は広告主の立場

1、も2、も昔からあったといえばあったことなのだが、3、がもっとも重要である。というのは、昔は「なかなか当たらなくなった」という言われ方をしたことはあったが、「コントロールできなくなった」ことはなかったからである。

広告とは、資本主義の本質的な部分を表すもので、売り上げの多い企業は大企業であり、大企業は大資本であるように、広告によって認知度を上げるためには広告費を湯水のごとく使えば目的は達せられた。

つまり、広告費の多寡が広告効果の多寡を意味していたのである。

だからこそ、「発行部数によって広告費」が決定されていることに何の違和感もなかったのである。これを踏襲したのが、ウェブ媒体である。よって、発行部数に該当する「pv数による広告費」が当然のようにまかりとおっている。

リスティング広告の場合、pv=impとなる。ところが、リスティング広告では、「imp数による広告費」を取っていない。それよりも高額になる「クリックによる広告費」を採用している。

「inp数による広告費」が1円の単価計算によるのに対し「クリックによる広告費」は最低9円の単価計算であるから、こちらのほうが圧倒的に高額になるからである。

ここが「コントロールできなくなった」決定的なポイントである。

さらに、これに加え、QS、QIの導入がますますブラックボックス化していく元凶になっている。QS、QIによって、クリック単価も掲載順位も上下するからである。

最低クリック単価も、QS、QIも、impもCTRも、何もかもがブラックボックス。つまり、ルールを相手の思うがままにされる中でのゲーム参加を強いられているのが今のリスティング広告、ウェブ広告なのである。

しかし、広告効果の最終判断はROIであり、CV数であり、CPAある。よって、これに焦点を絞って広告効果を判断するしかない。

たったこれだけのことに気づいた2007年であった。

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2007年12月2日日曜日

vol.56 CTR2倍、CPA2分の1にする方法

ウェブ広告担当者が頭を悩ますのは、昨今のCPAの高騰である。

PPC広告がデファクトになって5年。この間のCPAの高騰はすさまじいものがある。5年前のCPAが1とするならば、今は10、というところまで来た。

物価に置き換えると、10倍というと30年以上を要する期間である。これをドッグイヤーで計算すれば5×7=35だから、不思議はないのだが・・・。

しかし、この急激な高騰にはついていけないのが現場の実情である。5年で広告費予算が10倍に増額されるわけではないのだから、予算をカットするしかない。

ところが、広告費を10分の1にするといってもコントロールするのが難しいのがPPCの特長でもある。機械的な上限設定によって、結果、コンバージョン数を犠牲にすることになり、一気にROIは低下してしまうことになる。

では、CPAを戦略的に低下させる方法はあるのか?

実は、これこそが、QI、QSを上げることによって実現できる最大の広告効果なのである。

QI、QSが良いということは、必然的に「低クリック単価での上位表示」が可能になるからである

では、低クリック単価で上位表示されるとはどういうことなのか?

まずは、単純な確率論。
1、IMP数が多い
2、クリック数が多い
3、コンバージョン数が多い

しかし、QI、QSは3、には頓着しない。1、2が良いものがQI、QSが高いものである。さらに、広告審査によって、登録キーワードと広告との整合性を重点的にチェックする。

したがって、QI、QSが良いとはどういうことかというと、

1、登録キーワードと広告中のキーワードとの整合性が高い
2、その結果としてIMP数が多い
3、その結果としてクリック数が多い

ということなのである。

よって、これをまずキチンとやると、比較的安価にコンバージョンが取れるようになる。比較的、というのは、今よりも多少、という意味である。

今よりも、もっとコンバージョン単価を低下させるには、次の施策に着手する。

ランディングページのリファインである。

ランディングページは、まず、
1、1ルック(限られた画面上に必要情報をすべて表示するように制作する)
2、簡潔に必要事項を盛り込む
3、インセンティブを用意

要は「チラシ」を作ることである。ところが、現在のウェブデザイナーは、AIDMAも知らなければ、「チラシ」を作ったこともない。

だから、SEMだとか、LPOだとかチンケな広告コンサル屋が幅を利かせることになる。まずは、スーパーのチラシをよーく見ることである。

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2007年11月25日日曜日

vol.55 ネット広告の課金制度

ご存知のように、ネット広告の課金体系は「クリック課金」である。

誰も疑うことなく、この体系に立脚して媒体料金は自動的に算出されることに異議を唱えない。1回いくらかを設定すれば、「クリックされるだけで濡れ手に粟の商売」が成立することになる。

この課金体系が登場するまでは、媒体社が勝手に値付けする「媒体料金」が主流であった。(あった、というのは、いまやそれが風前の灯火だからである)

媒体料金には、以下のようなものがある。
1新聞雑誌系の「紙面切り売り料金」=「公称発行部数」をベースにしたスペース料金
2TVラジオ系の「波代切り売り料金」=「公称視聴者」をベースにした時間料金
3交通広告・看板の「規定スペース料金」=「公称閲覧者数」をベースにしたスペース料金
4ネット系の「クリック料金」=「公称クリック数」をベースにした単純掛け算料金
4´検索系の「広告品質料金」=「公称広告品質」をベースにした単純掛け算料金

4´ではなく5を想定すると、
5「広告品質料金」=「消費行動」をベースにした広告品質連動料金のようなものになるかもしれない。

要は、5に期待されることは以下3つである。
1、広告の品質とは、広告会社にとっての品質ではなく、消費者にとっての品質でなければならない。
2、品質の良い広告とは、広告会社が儲かる広告ではなく、消費者に利益を与える広告である。
3、品質の良い広告には、優遇措置※を講じて露出頻度を高めるとともに割引課金すべきである。
※優遇措置の例として、全国紙の場合、1ページ全15段に掲載されると、公称発行部数1000万部に基づき、媒体料金は通常1000万ほどするが、「出版社の広告」に限りこの半額で掲載する慣わしとなっている。

広告の品質を云々するとは、広告の「公共性」に立脚して課金するということである。これを実施しようとすれば、誰が見ても納得できる広告品質の評価体系とそれに基づく課金体系の2つがオーソライズされなければならないだろう。

「次世代広告課金体系」の整備を経て初めて、「次世代ネット広告」が誕生するものと思う。

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2007年11月12日月曜日

vol.54 購買心理5段階説は有効なのか

AIDMAに代わってAISASという用語が使われるようになってきたが、決してそれが正しいというわけでもない。

そもそもAIDMAというのは、アメリカの心理学者マズローが唱えた欲求5段階説や、購買心理の七段階説をベースに広告~購買までのプロセスを当てはめたものである。

考え方の基本は、人間は、段階的に、論理的に購入へと向うというロジカル・シンキングの流れである。ところが、人間が物を購入するプロセスは決してロジカルでもない。

あれを買おうと思って店に行ったのに、あれがなかったからこれを買うこともしばしば。さらには、あれでもこれでもない物を買うことだって多々あるのである。

だがしかし、購買心理ではなく、「購買行動」という見地から見ると、結構正確なものが見えてくるとは思う。

例えば、検索連動広告などはその最たるものである。それは、検索-広告閲覧-クリック-誘導ページ検証-購入のような流れになるだろうか。

検索連動型広告は、検索からスタートするのであって、広告を見るところからはスタートしていない。見るところからスタートするのはレガシーな広告なのである。

また、記事連動型広告の場合だと、記事閲覧-キーワードにオンマウス-広告閲覧-クリックー誘導ページ検証-購入の流れになるだろう。

このように消費者がネット上で行った行動を数値化することで、「購買行動」を定量化することが出来るようになった。

なったのだから、その指標をこそ採用すべきだろう。いつまでも、「心理」という定性データに依存していては消費者の「心理」などいつまでたっても分からない。

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2007年11月3日土曜日

vol.53 広告の質とは何なのか?

この問いは、永遠のテーマである。

わたしが現役の頃は、「広告は文化」であった。

政治はその国の国民の文化レベルを反映するというが、それと同じこと。その国の国民が作るものであり受け入れるものである以上、その国の国民のレベル以上のものは決して存在しない。

そう考えてみると、「広告の質」とは何かということが実に明快になってくる。


リスティング広告にはQSとQIという指標が存在する。QSはAdwords、QIはOvertureの「広告の質」の指標である。

いずれも、広告会社が自社内で査定して広告主の管理画面に表示される。広告主は、この指標を見て、何とかその評価を上げようと躍起になる。(評価が上がった広告は表示回数が増える=クリック数が増える)

2社が言う「広告の質」とは、CTRの高い広告=自社が儲かる広告である。

ところが、立場が変わると、「広告の質」は変わる。広告主にとって質の高い広告とは、CVRの高い広告=広告主が儲かる広告である。

また、実際にその広告の訴求対象である消費者から見ると、質の高い広告とは、商品購入時の情報となる広告=消費者が儲かる広告である。

すなわち、広告会社、広告主、消費者の3者は、相対立する関係にあることになる。ここに媒体が絡むと、4者の相反する利害が交錯することになる。(これに、広告代理店を加えると5者になる)

では、この4者に優先順位を付けるとするならば、どういう順番になるのだろうか?もちろん立場によってその順位は異なるわけだが、広告が経済活動の一環として実施されることを前提とすれば、以下の順番になるのではないだろうか?
1、消費者
2、広告主
3、媒体社
4、リスティング広告会社

つまり、社会的弱者順である。

ところが、現実の広告は、社会的強者順に実施されている。レガシーな広告の手法がリスティング広告にもそのまま導入されているのである。

しかし、不思議なことにインターネットの特性である「インタラクション」機能は、当初から一切リスティング広告には導入されていないのである。

広告の質の指標を勝手に決め、広告主に押し付け、消費者無視で暴走するリスティング広告。これが広告であるはずがない。

そう思っていたら、「発言権」を与えられない消費者の「声なき声」が爆発し始めた。広告をクリックしないという形で。もっとタチが悪いのは、広告はクリックしてもコンバージョンはしないという形で。

広告が「シカト」され始めたのである。

質の高い広告、それは消費者のリアクションを収集し、消費者のニーズを刺激するという広告の原点に返ることから始めるべきではないだろうか。

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