2010年11月29日月曜日

vol.169 電子書籍はまたこける

電子書籍関連の記事がたくさん出回っている。

が、以前にも書いたが、これはこける。

理由はすでにはっきりしていて、ソニーのリブリエが3年前に撤退せざるを得なかった日本市場の特性がまったく変わっていないからである。

日本市場の特性とは、以下の2つ。

(1)日本では、電子書籍端末より携帯電話を使って文字や画像を見る文化が強いこと

(2)出版業界が日米でかなり違い、日本では新刊がなかなか電子書籍化できないなどの問題があったこと

これに加え、実は、以下の理由が最も大きい。

(3)既存の出版ビジネスと抵触させない、という売り手側の事情が透けて見えており、それを敏感な消費者が嫌った

つまり、著作権の処理方法が確立されていなかったために読者が読みたい本が電子化できなかったのである。

今回、これをなんとかしようとしているのだが、まだ結論は出ていないし、全ての作家が承諾するわけでもない。

さらに、本の手軽さ軽さ安さに比べて、電子書籍の面倒くささ重さ高さが並でないことは、実際に読んでみれば分かる。

なんでそうまでして読まなきゃならないの?

さらに、コアな読書家は所詮100万人。出版界のベストセラーは10万部。ゲームのベストセラーは100万部で桁が違う。数字の読み違いがはなはだしい。

本を読まない連中にソニーReaderを与えてもリーダー(読者)にはならないのである。(ガラパゴスというシャープの商品名は、関西企業らしくブラックユーモアが感じられていい)

すでに1990年の第1回電子書籍元年から数えて3回目の「元年」を迎えることを考えれば、無理というより無茶なことは分かりそうなものである。

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