2007年7月29日日曜日

vol.43 VWC参加報告

先日、VWC(ヴァーチャル・ワールド・カンファレンス)に主催者の深野さんに招待されて行って来た。以下、その感想。

先にもSECOND LIFEのことは書いたとおり、このテーマの方向性は2つしかない。伸びるか、しぼむか。

技術的進歩によって可能になることと、実現したい夢のために技術を開発することとは180度違うわけで、日本人はセカンドライフを必要としないがゆえに日本には誕生しなかったのだと考えればわかり易い。

ヨーロッパでは、リゾート=RESORT(何度も出かける、という意味)というライフスタイルがあるわけで、休暇の間同じ土地の別荘で長期にわたって暮らすのは当たり前のこと。これが、セカンドライフの根底にあることから説き起こさなければ、セカンドライフの存在理由は見えてこない。

SECOND LIFEの中でのアバターの視線動態(自分の)をデータ化した、NTTデータの三上さんのプレゼン。これが面白かった。コミュニティの中で、人は人を探す。

商品でもなく、建物でもなく、人が求めるものは、人=CHARACTORなのだということが実証されていて実に興味深いし、これが答えなのである。

10年前にMUというヴァーチャル国家をIPAの補助金で3000万かけて制作するプロジェクトに参加したが、決定的に欠けていたのは、仏作って魂入れず=国家作って国民不在ということだったのだと思う。実は、予算を器作りで使い果たしたのだが。

器に金を掛けるのではなく、CHARACTOR作りに金と時間を掛けることが成功の秘訣だと思う。 かつて、niftyがやったこと、今mixiがやってること、すべて人と人を結びつける「場」を提供したのであって、コミュニティはSIG(Special Interest Group)オペが作って共感する人が集まっているのである。

コンテンツが2Dから3Dになると、必ず立体=建物、人体を真っ先に3D化する。だが、コミュニティは3Dでなく、4D、5Dで考えないと、単にリアルをヴァーチャルに持ち込むことにしかならない。

わたしがRESORTするスコットランドの川のオーナー(英国では川は最大の不動産。1年間に釣り上げられる鮭1匹200万で換算して川の価格が決まる)は、オフシーズンには自分のデザインに基づいて自然に見えるように川をこつこつとREMAKEする。

これをヴァーチャルで行うのがSECOND LIFEなのだと思う。実際に川を買うと3億円、川をREMAKEするのに1000万単位の金が掛かるところが何万でできるだろうから。

でも、わたしは、SECOND LIFEよりも2年後から始める予定のREAL SECOND LIFEをエンジョイしたいと思っているが。(笑)

→実は、日本人が休暇のたびにRESORTする場所は、田舎の実家である。よって、SECOND LIFEの中で、絶対に当たると思うのは、「実家」を作ること。思い出の故郷、昔は「遠くにありて想うもの」であったが、今は、「ネットにありて通うもの」。

お盆には、ヴァーチャル墓参り。年末は、ヴァーチャル除夜の鐘、年始には、ヴァーチャル初詣。友人とも出会える、ヴァーチャル同窓会。これでしょ、日本人って。

ソウダヒロシ プロフィール CONTACT

※懐かしのIT幕開け時代のブログ→ITトレンド2000

※食い物系のブログは→今日のメニュー2010

※環境系のブログは→環境トレンド2010

※進行中のプロジェクトのブログは→リンクアド・プロジェクト公式ブログ

0 件のコメント: